それを咄嗟に避けた紅だが、左頬に鋭利なピーマンがかすってしまった
「ち……ン」
どこかで電子レンジが鳴った音、とみせかけて紅の舌打ちである
そして、芋色制服の右ポケットから無造作に紅芋スライス手裏剣を取出し構える 何とも実に美味しそうな感じである
美味しく、非常食にもなり 乾燥させているから、殺傷力も上々であるため、紅はこれが好きだった
そんな中、新たなピーマンが飛んで来る
それを優雅に完全に避けた紅は、手裏剣をシュッと投げた……のだが避けたピーマンは肉詰めだったらしく、その肉が飛散る
その肉が、見事に紅の視界を奪った とても美味しそうな香りである
紅が眼を閉じた、その瞬間……紅の右脚に鈍い痛みが走った
とうとうピーマンの種連弾が命中してしまったようだ
「ぐ……ン」
緊張感のない声をあげた紅は、ピーマンに「満」の字が掘ってあることに気付く
そして紅が転校してきてから毎日、机に刺さっていた干しピーマンにも満の印があったことを思い出した
「……くそン」
この痛みでは素早い動きが出来ない どうするか……
そう考えながら、紅はピーマンを投げた男を見やる 紅よりも幾分も華奢で、全身緑の忍者装束で
その表情は読めなかった
これから、どうする……
身動きが取れず最大のピンチを迎えた紅……彼の運命はいかに
