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<title>紅芋</title>
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<description>面白可笑しく、時に切なく………
芋の頂点に立つ男　紅は、ピーマンの魔の手から世界を救うことが出来るのか!!笑</description>
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<dc:creator>yanyo</dc:creator>
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<item rdf:about="http://kurenai.yanyo.blog.zmapple.com/42105.html">
<title>第十八話</title>
<link>http://kurenai.yanyo.blog.zmapple.com/42105.html</link>
<description>この痣が消えたことを、大人たちは認めたがらなかった 明らかな失望の目を私に向けながらも、目の前の希望が掻き消えたことが信じられなかったようだ…
彼らにどう思われても、平気だった 両親ですら、興味を引かなかった 父は分かりやすい失望を私に向け、母は絶望で震えていた それでも何も感じなかった
私にとってショックだったのは、唯一信頼する幼馴染みの反応だった
彼はきっと、私がジャガ芋から外れたことを喜んでくれると思っていた しかし、幼馴染みは私を避けた 私と目を合わせてもくれなくなった
幼馴染みは私が「ジャガ芋にはなりたくない」と言ったから、痣が消えてしまったのだと思っているようだった 私がジャガ芋となってから変わってしまった二人の関係は、元のように修復されることはおろか、痣があった頃よりも悪くなってしまった
そうして、2年の歳月が過ぎた頃　別の一族の中に、山芋が生まれた　その存在が、また皆の希望となった
じゃが芋、山芋、薩摩芋、里芋　この4人が揃ったときにこそ、真の救世主「紅芋」が生まれいずるのである　それこそが、皆の世界の希望なのである
私は、それを喜んだ　私ではない救世主は確かに存在し、きっと皆を導くだろう　自分にはできないことを彼は成し遂げてくれるだろうと、私は勝手に考えていた
山芋と呼ばれる彼が、自分と同じ年の少年などとは露とも考えていなかった　彼は、逃げたのだ　じゃが芋という名の、重圧から……
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</description>
<dc:creator>yanyo</dc:creator>
<dc:date>2006-08-03T00:32:17+09:00</dc:date>
<dc:subject>過去</dc:subject>
</item>

<item rdf:about="http://kurenai.yanyo.blog.zmapple.com/42103.html">
<title>第十七話</title>
<link>http://kurenai.yanyo.blog.zmapple.com/42103.html</link>
<description>幼い頃、この痣が浮き出てから―――世界は変わった　大人たちは、誰よりも自分を大切に扱うようになった
皆が自分を一族の救世主だとはやし立てるのを、幼い自分はまるで関係のないことのように思っていた
ある日急に、お前が救世主なんだと言われても「あぁそうか」などと納得する訳がない
それでも、自分は救世主なのだと何度も何度も教え込まれた　この時には、紅芋様は勿論のこと、その他に痣をもつ者は生まれていなかった
そうであるから、他の一族の者もこぞって痣を見にやってきた　なんと、2世紀振りの「救世主」なのである　一族こぞって、祭りのごとき賑わいをみせた
「私は、何も変わってなどいないのに……皆が騒いでいる」
自分は、幼い子どもで何の力もない　それなのに、皆は自分を「救世主」などと呼んで重過ぎるほどの期待をかけているのである
「私は………こんな痣なければよかった」
そんな風に打ち明けることが出来たのは、この幼馴染だけである　そう、今だってじっと自分の言葉を聞いてくれる　そして震える手を、そっと握ってくれた
「私は、お前とずっと一緒にいたいだけなのに」
泣きそうな声で、どうしょうもないような声を上げて自分よりも小柄な幼馴染に身体をくっつけた　そんな彼に戸惑うようにしてから、それでも幼馴染は彼を片手でぎゅっと抱きしめて、もう片方の手で彼の頭を優しく撫でてくれる
「………ずっと一緒です、じゃが芋様」
「そんな呼び方……私は、そんな名前欲しくない」
自分は、そんな名前なんかではない　そんなの…自分じゃない
「でも……これは、命令です」
「お前だけには、そんな名前で呼ばれたくない……お願いだから」
お願いだから、君だけは変わらないで　君だけは、私を分かって欲しい　それだけは、譲れないと切実に思った
私は、皆の救世主になどなりたくはなかったけれど、君だけの救世主にはなりたかった　それで十分だったのに
額に浮き出た「jyagaimo」という痣が、私を一生縛りつけるのだと思っていた　しかし、この痣は１週間後唐突に消える　そして、その痣が再び浮き出ることは――――誰にもなかった
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<dc:creator>yanyo</dc:creator>
<dc:date>2006-08-03T00:27:06+09:00</dc:date>
<dc:subject>過去</dc:subject>
</item>

<item rdf:about="http://kurenai.yanyo.blog.zmapple.com/42102.html">
<title>第十六話</title>
<link>http://kurenai.yanyo.blog.zmapple.com/42102.html</link>
<description>幼い頃、この痣が浮き出てから―――世界は変わった　大人たちは、誰よりも自分を大切に扱うようになった
皆が自分を一族の救世主だとはやし立てるのを、幼い自分はまるで関係のないことのように思っていた
ある日急に、お前が救世主なんだと言われても「あぁそうか」などと納得する訳がない
それでも、自分は救世主なのだと何度も何度も教え込まれた　この時には、紅芋様は勿論のこと、その他に痣をもつ者は生まれていなかった
そうであるから、他の一族の者もこぞって痣を見にやってきた　なんと、2世紀振りの「救世主」なのである　一族こぞって、祭りのごとき賑わいをみせた
「私は、何も変わってなどいないのに……皆が騒いでいる」
自分は、幼い子どもで何の力もない　それなのに、皆は自分を「救世主」などと呼んで重過ぎるほどの期待をかけているのである
「私は………こんな痣なければよかった」
そんな風に打ち明けることが出来たのは、この幼馴染だけである　そう、今だってじっと自分の言葉を聞いてくれる　そして震える手を、そっと握ってくれた
「私は、お前とずっと一緒にいたいだけなのに」
泣きそうな声で、どうしょうもないような声を上げて自分よりも小柄な幼馴染に身体をくっつけた　そんな彼に戸惑うようにしてから、それでも幼馴染は彼を片手でぎゅっと抱きしめて、もう片方の手で彼の頭を優しく撫でてくれる
「………ずっと一緒です、じゃが芋様」
「そんな呼び方……私は、そんな名前欲しくない」
自分は、そんな名前なんかではない　そんなの…自分じゃない
「でも……これは、命令です」
「お前だけには、そんな名前で呼ばれたくない……お願いだから」
お願いだから、君だけは変わらないで　君だけは、私を分かって欲しい　それだけは、譲れないと切実に思った
私は、皆の救世主になどなりたくはなかったけれど、君だけの救世主にはなりたかった　それで十分だったのに
額に浮き出た「jyagaimo」という痣が、私を一生縛りつけるのだと思っていた　しかし、この痣は１週間後唐突に消える　そして、その痣が再び浮き出ることは――――誰にもなかった
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<dc:creator>yanyo</dc:creator>
<dc:date>2006-08-03T00:22:57+09:00</dc:date>
<dc:subject>その他</dc:subject>
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<item rdf:about="http://kurenai.yanyo.blog.zmapple.com/42100.html">
<title>第十五話</title>
<link>http://kurenai.yanyo.blog.zmapple.com/42100.html</link>
<description>はぁはぁと肩で息をしている兄が、とてもとても心配だった…
誰よりも辛そうで、それでもいつも微笑みを絶やさない、強い人だと思う　そんな兄をとても尊敬していて、その人が自分と血がつながっているということが誇らしくてしかたなかった
「お兄ちゃん」と小さな声で呼んで、自分より幾らか高い場所にある兄の手を引っ張る　そうすると、兄は自分と同じ目線になるように腰を下ろして「どうした？」と優しい声をかけてくれた
この声が好きだ　この声を聞くために、何度も何度も呼びかける　それでも、兄は嫌な顔ひとつしないでいつだって自分にかまってくれた
物心つく前から、自分と兄は違うのだと分かっていた　父も母も、自分に目を向けてくれることはなかった　兄は、特別なのだ
それでも、兄は自分にとても優しかったし、両親よりも何かとかまってくれる兄が好きだった　淋しくない、ということでもなかったけれど…
その兄の右肩には、「yamaimo」と書かれた痣があった　その痣が兄を特別にした　そして、その痣が自分の大好きな兄を殺すのだと……知っていたけれど、自分には何も出来なかった　
今も、何も出来ない
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</description>
<dc:creator>yanyo</dc:creator>
<dc:date>2006-08-03T00:15:03+09:00</dc:date>
<dc:subject>過去</dc:subject>
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<item rdf:about="http://kurenai.yanyo.blog.zmapple.com/42098.html">
<title>第十四話</title>
<link>http://kurenai.yanyo.blog.zmapple.com/42098.html</link>
<description>「君が、ピーマン……そんなっ!!」
青年は、初めて緑に荒い声を上げた　いままで、彼は自分に何が起きようとしていてもこんな声は上げなかった
「俺たちは、ピーマンだ　だから、お前をさらったんだ」
苦しげに、とても悔しそうに緑は声を絞り出しながら言葉を紡ぐ　その姿が、とても痛々しくて見ていられない
青年は、おもむろに緑に近寄ると両手で緑の左手を包み込んだ
「……何だよっ」
その予想外の行動に、緑は驚いた声を上げた
「泣くかと思った……」
その青年の声は、さっきとは打って変わって優しくて……緑の心に染み渡った
「俺は……泣いたりしない　ピーマンは、世界の敵なんだから泣くわけがない」
「でも、君は…君だろう？」
緑は、そんな言葉は知らない　ピーマンの彼に、そんなに優しくしてくれる存在などいるはずがないのだ　それなのに………これはなんだっ
「違うっ!!俺はピーマンだ　ただのピーマンで……」
いやいや、とするように頸を振る緑を青年はそっと抱きしめる　緑は少しためらいながら、青年の胸に顔をうずめた
「君は、僕を連れ去ったけど突き出したりはしなかった　君が、危険なのに…僕を差し出した方が、君のためなのに」
「……分からない、分からないっ!!俺はただ、ただ……嫌だっただけだ」
「何が、嫌だったんだ？」
「…………お前が、傷つくのが」
青年は、ただそうかとだけ言って、更に緑をきつく抱きしめた　ありがとうという代わりに……
「お前たちも、温かいんだな」
「あぁ、君も温かい」
緑は初めて、ピーマン以外のぬくもりを知った　このぬくもりをきっと一生忘れずに生きていこうと、緑は心にかたく誓った
「今から…俺は闘いに出る」
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</description>
<dc:creator>yanyo</dc:creator>
<dc:date>2006-08-03T00:08:02+09:00</dc:date>
<dc:subject>本編</dc:subject>
</item>

<item rdf:about="http://kurenai.yanyo.blog.zmapple.com/42092.html">
<title>第十三話</title>
<link>http://kurenai.yanyo.blog.zmapple.com/42092.html</link>
<description>紅一族の芋吉―――それは、一族の中で唯一紅芋★レッドとなることを許された存在のことである　芋吉が生まれるのは一世紀に一度とも言われており、その存在は非常に稀なのである
代々の芋吉たちは、ピーマンとの死闘に勝ち抜き世界に平和をもたらしてきたのである　しかし、紅には未だ紅芋★レッドに変身することが出来ないのであった　それを、山芋は知っていたのである
「…確かに、紅芋★レッドにはなれン　しかし、闘わずにピーマンに屈するつもりはなン」
「ここには、薩摩も男爵も女王もいます　紅芋様、試してみてはいかがですか？」
「呪いは、山芋、じゃが芋、薩摩芋、里芋の全てが揃わなければとけないのだン　無理に決まっているン…」
「紅芋様……それではこれからいかがするのですか？」
紅は、答えが見つからない　ピーマンに、勝つためには紅芋★レッドになることが不可欠なのである
緊迫した雰囲気が流れる中で、薩摩が明るい声で紅芋に告げた「きっと紅芋くんなら、勝てるよ!!」
「薩摩……お前は軽すぎるぞ」
山芋は、薩摩をたしなめながら、落ち込んでいる紅を見て盛大にため息をついた　役に立たない紅芋だと……
「だって、紅芋君は私たちの希望なんだよ　私たちに、紅芋を守る資格が浮き出たとき、一族皆でよろこんでくれたよ　ずっとずっと、皆が紅芋くんが現れるのを待ってたんだもん」
薩摩の言葉が、懐かしい思い出をよみがえらせる
３世紀も生まれない紅芋　その再来を、皆が待ち望んでいた　そこに、現れたのが紅なのである
しかし、当の紅は何の役にも立たない　その事実が、山芋をイラつかせているのである
「しかし、紅芋様は未だ未成熟のままでいらっしゃる」
「でも、私たちはもっと紅芋くんを信じなきゃ　紅芋君がここにいて、私たちだってここにいて、出来ることは沢山有るはずだよ」
「それは違う、紅芋★レッドがいなければ、ピーマンには勝てない」
「違わないよ　ピーマンなんかに私たちの紅芋くんが負ける訳がない　だって、紅芋くんは私たちの救世主だもの」
その二人のやり取りを、紅は遠くで聞いていた　それが、自分のことなのに実感がないのだ　自分は無力な紅芋で、薩摩がそこまで意地を張る理由が分からないとでも思っているようである
そこに、長く不在していた男爵と女王が帰ってきた　男爵は、女王の手を固く握り締めて離さない　そんな男爵を、女王は心配そうに見つめている
「どうかしたのか？男爵、女王」
「………出撃の命令を頂きたく参りました」
男爵は、硬い表情と声でそう告げた　そして、紅の前に跪いた　それに女王も続く
「お前たち、何をっ!!」
山芋の叫び声など、二人の耳には入らない　二人の視線の先には、紅芋吉しかいなかった
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</description>
<dc:creator>yanyo</dc:creator>
<dc:date>2006-08-02T23:24:06+09:00</dc:date>
<dc:subject>本編</dc:subject>
</item>

<item rdf:about="http://kurenai.yanyo.blog.zmapple.com/42091.html">
<title>第十二話</title>
<link>http://kurenai.yanyo.blog.zmapple.com/42091.html</link>
<description>黄色が部屋から出て行ってから、少しの時が経過していた　クローゼットの中から出てきた青年は、困った顔をしながら緑を見つめている
緑の様子が、あからさまにおかしいのである　クローゼットの中にいた青年は、二人の会話こそ聞こえなかったものの、何か重大な事件でも起きたのではないかと考えていた
青年にとって、緑は自分を妙な部屋に連れ去った男では有るが、特にマイナスな考えは抱いてはいなかった　むしろ、面白い服装だなぁ……とか呑気に、緑の忍者服姿を眺めていたのである
「……大丈夫…ですか？」
とうとう沈黙に耐えかねて、青年は緑に声をかけた　しかし、緑の視線はおよいだままである
「………俺は、闘う為に生まれた、だから闘わなければいけないんだ」
青年に言ったわけではない　緑は、自分自身に暗示をかけるかのように何度も何度も繰り返し呟いた
「俺は、―――――なんだから」
その言葉を聞いて、青年は驚きのあまり静止してしまった　彼が噂の、ピーマンだとは微塵も思ってはいなかったらしい
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</description>
<dc:creator>yanyo</dc:creator>
<dc:date>2006-08-02T23:18:25+09:00</dc:date>
<dc:subject>本編</dc:subject>
</item>

<item rdf:about="http://kurenai.yanyo.blog.zmapple.com/42090.html">
<title>第十一話</title>
<link>http://kurenai.yanyo.blog.zmapple.com/42090.html</link>
<description>「すまん、すまん」
慌てて、緑が扉を開く
そこから現れたのは、頭から鳥の羽を生やした(因みに、黄色である)青年であった　赤は仮面で、緑は忍者装束、今度は鳥の羽である
「何だ……黄色か」
緑は、さっきよりは幾分かほっとしたように声を和らげた　赤がやって来るという最悪の事態は、回避されたからだ　それでも、青年のことを黄色に知らせる訳にはいかなかった
「それで、何の用なんだ？」
「………奴らがとうとう、動き出した」
一瞬、その言葉の意味が理解できなかった
ヤツラガ、ウゴキダシタ――――
もう、後戻りは出来ない　これから、戦争が始まるのだ　ならば自分は？そうた、闘わなければならない　緑はそこまで考えて、決意に満ちた顔を上げた
少し胸が痛むけれど、きっとこれは気のせいだとそう自分に言い訳をしてから

「紅芋様……どうか落ち着いてください」
山芋は、紅に熱い視線を送りながらそう告げる　それを薩摩芋は、少し心配げに見つめていた
「どうして落ち着いていられるんだ!!お前たちは、何と心得ているのだっ、我らの敗北は世界の終焉なんだぞン」
「それはそうですが、貴方様お一人では何も出来ない　違いますか？」
「……俺は紅芋吉だ　何とでもなるン」
「しかし、ピーマンの前に……貴方は無力だ」
紅にとって、それはこの世で一番耳を塞いでしまいたい言葉だ　けれど、ここから逃げる権利を彼は有してはいなかった
「それに、傷に障りますよ」
そう言いながら山芋は、紅の右脚の傷を抉るように触る　そうされると、流石に痛みで立っていることさえも難しい
「くそ……ン」
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</description>
<dc:creator>yanyo</dc:creator>
<dc:date>2006-08-02T23:14:20+09:00</dc:date>
<dc:subject>本編</dc:subject>
</item>

<item rdf:about="http://kurenai.yanyo.blog.zmapple.com/42087.html">
<title>第十話</title>
<link>http://kurenai.yanyo.blog.zmapple.com/42087.html</link>
<description>緑と青年は、もろに正面衝突をして床に転がった　自然と、緑が青年の上に乗りかかった体勢になる　身体が密着しているのは勿論のこと、顔も凄く近い
「いやっ……」
緑は咄嗟に、青年を突き飛ばした　そのまま重力のかかる方向に、青年は落ちていく　ゴトンという音をたてて、青年は後頭部を床で強かにうった
そして、そのまま意識をとばしていく　緑の声も、届かない……
「……俺は、貴方を傷つけてばかりいるな」
緑は、青年の右手をぎゅっと掴んでそう呟いた　とても、物悲しい声で

「……っ痛」
青年は、痛む頭を抱えながらどうにか身体を起こした　それに気付いた緑が、慌てて駆け寄ってくる
「大丈夫……か？」
切なげに顔色を伺ってくる緑に、青年は何も言えなくなってしまった　大丈夫だよという代わりに、何度も頷いた　その弾みで、強かに打ちつけた頭が痛んだがどうにか笑顔を崩さなかった
「……そうか、良かった」
緑はほっと胸を撫で下ろした　それもつかの間のことで、二人の間に気まずい雰囲気が漂う
緑は、彼を連れ去ったのだ、その事実は消えない　緑が、どれだけ青年を大事に扱ってもだ
「どうして、俺をここに？」
「……それは」

コンコン―――
突如、緑の部屋の扉がノックされた　緑は扉のほうを困惑気味に見つめた後、目の前の青年に気付いて大いに焦りだした
彼はここにいるはずのない存在なのである　自分は赤に、何の収穫もないのだと報告してしまったのだから……
今、赤にこのことが見つかったとしたら、青年は勿論のこと緑も無事ではすまない
扉は未だに、何度もしつこくたたかれている
「少し待ってくれっ!!」
緑は大声でそう叫ぶと、青年の背中を押し始めた　はやくはやく、と急かしながら進んでいく　その先は、分かりやすくクローゼットのなかである
「少し、否かなり狭いとは思う　思うんだが、仕方がないんだ、辛抱してくれっ頼む」
そう早口で捲し上げながら、緑は顔の前で手を合わせた
「………っちょと、うわぁ」
緑は、青年の意見など全く無視して、無理矢理どうにか彼をクローゼットに押し込んだ　クローゼットの中は、気持ちの悪い程に緑色の服で一色である
「……緑だなぁ」
青年は、そう呟かずにはいられなかった
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<dc:creator>yanyo</dc:creator>
<dc:date>2006-08-02T23:05:40+09:00</dc:date>
<dc:subject>本編</dc:subject>
</item>

<item rdf:about="http://kurenai.yanyo.blog.zmapple.com/42085.html">
<title>第九話</title>
<link>http://kurenai.yanyo.blog.zmapple.com/42085.html</link>
<description>「女王……」
男爵は、不安げに自分よりも小柄な男、女王の腰に手をまわす　押し潰されそうな心を支えるには、そうするしか方法が見出せなかったのだ
何度も何度も、女王、女王と繰り返す……
「男爵っ」
女王は、男爵と同じことで頭を悩ませていたものの、そんな不安定な男爵の方が気がかりでならなかった　だから、男爵の手を払いのけることもできないし、例の件に探りを入れに行くこともできない　八方塞である
「女王、俺のそばにいてくれ　ずっと、ずっとだ」
「あぁ…俺とお前は二人で一人　何があっても離れはしないさ」
そう答えながらも、女王はその言葉に確信をもつことができなかった　きっと、時が来れば二人はこの世界から消えてしまう　それでも、側にいるというと呼べるのだろうか

紅と山芋は、慌ててやってきた薩摩芋を見つめていた
「だから、大変なんですってば、生徒が連れ去られて……」
「それは、大変だな」
呑気な声をあげたのは山芋だけで、紅にいたっては興味にも値しなかったようである
「……何でそんなに呑気なんですかっ!!ピーマンに世界を支配されてしまいますよっ」
「何だと…」
紅は慌てて座っていた椅子から立ち上がった　その勢いで、椅子が大きくガタンと後ろに倒れた
「……行かなければンっ」
紅は慌てて走り出した　が、突然停止した　そして、薩摩芋と山芋の方に振り返ってこう訊ねた「出口はどこだン？」
それを聞いて二人は、顔を見合わせて噴き出した

「紅芋様……どうか落ち着いて下さい」
あくまでも冷静に、山芋は紅に助言をする　しかし、そんな山芋に目も暮れず、紅は焦って狭い部屋をぐるぐると見回している　そんな二人を見つめていた薩摩芋は、頭を抱えてしまっている
「紅芋様っ!!」
山芋は、我慢の限界に達してしまったようで、紅をがしっと両手で捕まえた　その腕の中で、尚も紅は暴れ続けている
「刺さってたまるかン〜」とか、意味不明な事ばかり叫びながら、紅はどうにか山芋の腕から抜け出した　そして、走り出した　まっすぐ壁に向かって……
ビタン――と大きな音をたてて、紅は壁と正面衝突した　しごく、当然の結果である
「紅芋様……」
「紅くん……」
二人はそっと紅の名前を呼び、哀れんだ目で紅を見つめた
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